ある日突然、何の前触れもなく
足の関節、特に親指の付け根が腫れて激痛が起こる病気です。
痛風発作は、血液中の尿酸という物質が増え、
それが関節に沈着することにより引き起こされます。
痛みと腫れは24時間程でピーク↑が来て、その後は少しずつやわらぎ、
4日~1週間程で痛みはとれ、10日程で完全に消えることがほとんどです。
◎原因は
血液中に尿酸が増える原因は、次のように考えられています。
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尿酸が体内で多く産生される先天性の代謝異常、造血器疾患、無酸素運動、アルコール過剰、食事、肥満など |
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尿酸の排泄が悪い遺伝的体質、無酸素運動、脱水、アルコール過剰、肥満、腎不全など |
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①と②の両方 |
尿酸値が高い人は、痛風だけでなくさまざまな病気を合併するとみられています。
●脳血管障害 |
◎痛風発作時の治療と注意点
患部を安静に保つ(炎症をおさえる)●出来るだけ歩かない(患部に負担をかけない) |
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鎮静剤・抗炎症剤を服用症状が落ち着いてくれば血液検査を行い、尿酸値を下げる薬の服用を検討します(既に服用している場合は、原則飲み続けます) |
◎治療のポイント‥
薬物でのコントロールが中心になりますが、同時に生活習慣の改善も行います。 プリン体の摂取を控える事を基本として、でもその前に、食生活全体のバランスに注意しましょう。
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バランスのよい食事を肥満対策としても、健康維持のためにも、
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水分を十分とりましょう。水分をしっかりとって尿量を増やし、尿と一緒に尿酸を排泄しましょう。 |
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アルコール類は控えましょう。アルコール自体に肝臓での尿酸産生を亢進させ、腎臓からの排泄を低下させる作用があります。 |
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プリン体をとりすぎないようにしましょう。尿酸値の上昇については、食事の影響より体内での合成や排泄の影響の方が大きいことが明らかになってきましたが、プリン体の多いものは連続して大量に食べないようにしましょう。 ずっと食事に注意していても一度の飲食で発作が起きるのは、よくある事です。
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◎尿酸の原料「プリン体」ってなに?
プリン体は、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)といった細胞の核の中にある核酸などを構成する成分です。「プリン」というのは化学構造上プリン環という骨格をもつものの総称で、卵と牛乳でできたお菓子のプリンとは無関係です。 プリン体は、身体の中で分解され代謝されると、最終的に尿酸という形で排泄されます。尿酸は、それ以上分解されないので体にたまると痛風が起きます。 |
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◎その他の痛風発作の予防
運動
肥満があれば解消する⇒体の中でプリン体を作るのを抑えます。
薬
血液検査で尿酸値の高い場合、薬を服用することもあります。
◎メタボリックシンドロームと高尿酸血症
内臓に脂肪が溜まる肥満をベースに、血糖や血圧、血中脂質が2つ以上基準値を超えるとメタボリックシンドロームと診断されます。このメタボリックシンドロームには、高尿酸血症が合併しやすく、実際に日本でも高尿酸血症の人の8割が肥満、高血圧、脂質異常(高脂血症)、高血糖などの生活習慣病をもっているとの報告があります。 高尿酸血症も心血管系疾患(脳卒中や心筋梗塞など)の危険因子になりうるとの見方もあることから、肥満があれば早めに解消し、尿酸値は、低めに保っておいたほうがよさそうです。